
テルミン演奏の魅力をより多くの人に知ってもらうため、マトリョミンは生まれました。愛らしいマトリョーシカを筐体として用いたり、ピッチ(音の高さ)制御に専念できるよう演奏によって音量を変えられなくするなどの特徴、機能制限がありますが、テルミン演奏の面白さを損ねてしまう配慮は一切施されておりません。すなわち、演奏法習得が困難とされているテルミンを“簡単に”弾けるようにする配慮(機能)がない、ということです。
演奏動作によって音色感を形成するマトリョミンは、演奏する人が違うと音色の印象も大きく異なります。上手な人が弾けば天使が歌うような音色になりますが、そうでない人が弾けばそれなりの音色感です。昨今の電子機器(電子楽器を含む)が目指す“だれにでも簡単に扱える”インターフェース性に対し、マトリョミンのそれは対極に位置します。前時代的かもしれません。演奏者と音楽表現のあいだに介在するインターフェースとして、ただ正直であることをのみ、マトリョミンに求めたのです。
ピッチ特性、音色において本式のテルミンに劣らぬマトリョミンは、コンサートでソロ楽器として奏でられる演奏楽器であることを目指しています。どうぞお店で手にとって確かめてみてください。もしあなたが優れたミュージシャン、テルミン奏者であるならば、マトリョミンの持つポテンシャルの高さがすぐにお分かりになるはずです。
正しくチューニングが施された状態にある本式のテルミンと同等の、5オクターブの発音域を有しています。ただ、高音になるに従いオクターブ幅が狭くなるため、高音域における演奏動作は本式のテルミンにくらべ若干狭くなります。
筐体として用いるマトリョーシカはロシアから直輸入しております。一年ほど寝かした菩提樹の木を職人が手作業で削り出すマトリョーシカは水分含有量、木の厚みなどにバラつきがあり、このことが一体ずつに音色(響き具合)の個性をもたらします。木製の筐体を共鳴体として用いるマトリョミンは、発音体こそ電子発振ですが音色形成におけるプロセスはアコースティック楽器と同じです。
また、心臓部である電子回路もアナログ純度の高いもので、こちらも音色の硬さに幅があります。すなわち、あなたが手にした一体は世界に二つとない個性を生まれながらに宿しているのです。それに掛け合わされるのがあなたの個性(演奏動作)。あなたの手のひらでマトリョミンを美しく歌わせてあげてください。
・アンプ、スピーカーを内蔵
・ 電源:単三アルカリ乾電池4本
・ ラインアウト、イヤホン出力を装備(ステレオミニジャック)
・ ワンボタン操作でチューニングを会わせられる"Easy Tuning"機能を装備
・ 1年間のメーカー保証付
※マトリョミンは単音しか出せません。MIDI出力等、外部機器との接続はできません。
※マトリョミンのマトリョーシカ部分は入れ子状になっておりません。
※マトリョーシカ部分はロシアの職人が一体ずつ加工、絵付けしておりますので個体差があります。
〔素材〕木(菩提樹)、金属、プラスチック、グラスファイバー、ポリカーボネート
〔サイズ〕本体:幅105×高200×奥行115(mm)、重量 400(g) ※電池含む 日本製(ただしマトリョーシカ部分はロシア製)
音の高さを定める基準が楽器の側にないマトリョミンは、一般に演奏法習得が容易でないと云われていますが、ある程度のピッチ制御で音をとることは、チューニングを正しく施して臨めばさほど難しくありません。
演奏するうえでのコツは以下にあげる二点です。
a) チューニングを正しく合わせ、常にチューニング状態に気を配る
※持ち方が変わると(わずかな圧力の違いも含め)チューニングの
基準が変わってしまいます。
b) 音の高さはアンテナに対し近づいたり遠ざかったりする物体(あなたの手)の距離と面積に応じ変化しますので、ゲンコツの手で面積を変えず、距離のみを変えることに専心する(上下左右に手を動かさない)。
以下のビデオにてME04型マトリョミンのチューニング合わせ方法、デモンストレーション演奏をご覧いただけます。
本式のテルミンに比べ発せられる電波の弱いマトリョミンは、その特性ゆえ合奏に適しています。電波が強いほど相互に干渉を起こしやすいからです。
同じメロディーを複数のマトリョミンで演奏した際に得られる音印象は、どんなシンセサイザーでも得難い独特の重厚感、存在感があります。もしこれが電子オルガンで同じ音色で奏でた場合、完全に同じピッチで演奏することができるので理論上音圧(波形の振幅)が大きくなるだけです。マトリョミンは個体の音色差があることもですが、どんなエキスパートであっても演奏動作にブレや揺れが生じ、その個性のバラつきの融合が音色にヒューマンな幅を持たせることに繋がります。
すべて人間が制御するからこそ難しく、また感動的な音色を創り出せるのです。
テルミン演奏のエキスパートにより編成された世界最高峰のアンサンブル「マーブル」の演奏はこちらでご覧いただけます。

2011/1/22に自由学園明日館・講堂にて開催された"100人のマトリョミン合奏"(実数:167名)の演奏はこちらでご覧いただけます。テルミン演奏史上初となる大合奏会でした。
ME02に始まるマトリョミンはME03、そして第三世代モデルのME04に至ります。各モデルはそれぞれ特徴があり、いまでもそれぞれの根強いファンがいらっしゃいます。それぞれのモデル専用ページを設けました。取り扱いやメンテナンス情報の確認にご活用ください。
ME02
ME03 QT
ME04 ET
周辺機器等
マンダリンエレクトロン社代表の竹内正実氏に、ME04型マトリョミンの特徴と、マトリョミンの魅力についてお話を伺いました。【続きを読む】